ようやく連邦下院議会の議長が決定しました。ペロシの次の議長になったのは共和党のケヴィン・マッカーシーです。
ご存知の通りこのひとは、今回の議長選に立候補したけれど共和党からの支持が足りずに落選し、そしてまた再投票となっては落選し、ということを繰り返して連続14回落選という記録を残しました。
連邦下院はこの投票のやり直しのために2023年になってからまだ何もしていなかったのです。
この不人気のマッカーシーが15回目の投票でやっと過半数を獲得し、正式に下院議長になりました。なぜ不人気だったのか?
それはこのひとがコロコロと意見を変えるので有名で「カメレオン」とあだ名されているような男だからです。
彼にとって連邦下院議長の席に座るのはむかしからの夢でした。そのため、ずーっと前から彼はいろんな議員に根回しをして「共和党が過半数を取ったら自分に入れてね」と工作をしていたのです。
その時に相手に合わせて自分の意見を変えるので彼の本音がどこにあるか誰もわかりません。というか、本音が無い、意見が無い、ただ議長に成りたいだけ、とも言われています。
今回、最終的にこの男が議長になったわけですが、投票をやり直すたびに彼は自分に入れない議員に「●●の件を譲歩するから入れてくれ」と説得工作をしていました。しかし、一つや二つの譲歩では誰も納得せず、結局マッカーシーは14回譲歩してやっと議長になれました。
逆に言えば、反マッカーシーの人たちはそれだけ多くの譲歩をマッカーシーから引き出すことに成功したということです。
今回、この再投票の繰り返し、そして連邦議会の空白は「共和党に対するトランプの指導力の低下」とマスコミでは言われています。トランプさんはマッカーシーを議長に推薦しているのに20人の共和党員がそれに従わないから「指導力が低下している」というわけです。
しかし、そのマッカーシーに反対していた20人の共和党員の多くはトランプ派の中心メンバーなんですよ。
つまり今回のことはマッカーシー対トランプ派の戦いだったわけで、決してトランプ派の力が及ばなかったわけではなくて、むしろトランプ派が力を持っていることを示している出来事なのです。
なぜ、トランプさん自身がマッカーシーを推薦したのかは色んな見方があるようですが、駆け引きに優れたトランプさんのことですから黒森にはわからない意図があったのかもしれません。
ネット上ではマッカーシーが議長になったことを「ペロシ路線の続行」とか「DSの勝利」とか「アメリカの終わり」という意見も多くあるようですが、わたしはそうは思いません。
上で言ったようにトランプ派は新議長から色んな譲歩を引き出したからです。
例えば、ペロシは4年前に規約を改定して議長に対する不信任動議を出しにくい状態にしていたんですが、それを改めて議員なら誰でも不信任を言い出すことが出来るようになりました。
つまり、ペロシ時代のような議長の横暴はもう出来ない、マッカーシーは議長ではあってもトランプ派の反発を招くようなことは出来ないというわけです。
また、下院において大きな権力を持つ委員会にトランプ派議員を必ず数名入れるということも合意をとったようです。
このようにトランプ派議員の皆さんはマッカーシーに勝手なことをさせずに、さらにコッチ側の言い分を通りやすくした上でマッカーシーの議長就任を許したわけで、これは決してディープステートやライノの勝利ではなく、逆にコッチ側の勝利の第一歩なのだとわたしは思います。
また、反マッカーシー派のひとりとして戦ったローレン・ボーバート議員のツイートでも今回のことを「勝利」としていて、国境問題などが前進すると言っていますので、表に出ていないところでもたくさんの確約をマッカーシーと取り交わしているものと思われます。
コロナ関連の行き過ぎた規制への制御も始まるでしょうから日本にとってもいい影響があります。
さまざまな疑惑の解明も進む可能性があります。
最終的に投票の最後では共和党員はみんな笑顔だったということで、ひとまずいい結果だったのではないでしょうか。
わたしは2024年に第二次トランプ政権が成立することを強く願う者ですが、それが最終目的ではありません。
第二次トランプ政権は規約によって4年しか続きませんし、トランプ大統領の年齢から言ってもトランプ民主主義路線を引き継ぐ次の人材が必要なのは明白です。
そういう意味でも今回の出来事は表立ってはトランプさんが出て来ない状況で、トランプ派の議員たちが良く戦いました。
なので、これはこれで2028年以降のポスト・トランプ時代をいまのトランプ派議員のみなさんになら任せらせる、そういう印象を得ました。
議員の皆さんも経験値を積みました。勝利の経験をこれからも重ねていきましょう。
黒森美音王でした。
コメント
相変わらず日本のメディアはトランプ派が嫌がらせしてただけみたいな報道ですが、マッカーシーに飲ませた条件の一つにウクライナへの援助の制限があったという情報もありますね。それでゼレが岸田に会いに来いということになったんでしょうか?どっちにしても今のところ軍産複合体にも医産複合体にもカモられまくる日本😆、早く何とかしないとヤバイですね。
相変わらずメディアはひどいですね。ブラジルの混乱の映像に1.6の映像重ねて、どっちも困ったものですみたいな報道だったり…。
なにがなんでも不正選挙は無かった幻想を守りたいようです。でも、ことしは反撃が始まりますね。